2021
01/22

鍵を開ける音を分析して合鍵が作れる!?-鍵屋が考える対処法-

こんにちは、あんしん壱番の李(Lee)です。

少し前ですが、衝撃的なニュースが発表されていました。

「鍵穴に鍵を挿した時の音」から合鍵を作られる危険があると研究者が警告
https://news.livedoor.com/article/detail/18757652/

シンガーポール国立大学が上記の研究を発表したそうですが、この研究で使われている鍵はピンタンブラーシリンダーと呼ばれているものです。
このピンタンブラーシリンダーは鍵のギザギザ部分に、シリンダー内のピンが落ちることによって施解錠できるようになります。

何を言ってるわからないと思いますが、↓の動画をみるとすぐにわかります。

日本だとGOAL社の5ピンシリンダーや6ピンシリンダーなどが有名です。

上の動画を見ればわかるように、ピンシリンダーにおいて最も重要なのはギザギザの深さです。
このギザギザの深さがわかれば、合鍵を作ることができます。

今回の研究では鍵を開け閉めするときに発生する金属音を分析することで、カギのギザギザをかなり高い精度で推測できたそうです。
約33万通りあるピンシリンダーから3つまで絞り込む事ができたそうな。
あとは3Dプリンターを使えば、音から合鍵を作れるというわけです。

おそろしい……

どうやって鍵を開ける音を収集するのかということですが、

「鍵を開けている際にこっそり背後に近づいて、スマートフォンのマイクで録音する」
「マルウェアを被害者のスマートフォンにインストールし、鍵を開けた際の音声ファイルを入手する」
「鍵穴の近くにあるドアベルなどをハッキングして音声ファイルを入手する」
「離れた場所から録音可能なガンマイクを使う」
「廊下の隅などに隠しマイクを仕掛ける」

「「鍵穴に鍵を挿した時の音」から合鍵を作られる危険があると研究者が警告」(https://news.livedoor.com/article/detail/18757652/)より引用」

ということが考えられるそうです。

現実的に起こりうるか

面白い研究であるとは思いますが、正直言うとこのような不正解錠が流行るとはあまり考えれません。
空き巣犯が3Dプリンターを用意したり、対象者のスマホにマルウェアを忍び込ませたりするような手間やお金をかけるとは考えにくいです。
また研究ではスマホを使った集音では鍵から5~10cmほどの距離からでないと、解析に必要なだけの十分な音量は得られなかったそうですので、集音するのはかなり難しいです。

上記の手間、費用、リスクを考えるとピッキングの方が現状簡単ではないかと思います。ピンシリンダー自体、それほどピッキングが難しい錠前ではありません。

もっと3Dプリンターが一般化し、集音が簡単になり、今までピッキングが難しいとされてきたディンプルシリンダーもこの方法で開けれるとなれば流行ることもあるかなぁというのが正直な感想です。
ディンプルシリンダーは構造的にはピンシリンダーとほぼ同じなので、今後この方法で開けれるようになるかもしれませんね。

対処方法

冒頭紹介した記事では対処方法として、鍵をゆっくり差し込んであまり音をさせないというのをあげています。
そのほかにもスマートロック化することでそもそも鍵を差し込む必要がなくなるので、この方法による不正解錠を100%防ぐことができます。

最近では既存の錠前に後付けで取付できるスマートロックも出てきているので心配な方はこれを機会にスマートロック化してみてもいいかもしれませんね!

それではまた(o|o)

研究発表の動画が見たい方はこちら↓(英語です)