2021
03/12

東京都帰宅困難者対策条例における企業の備蓄義務とは?


こんにちは、あんしん壱番の李(Lee)です。

皆さんは「帰宅困難者」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
帰宅困難者とは地震などの災害時に外に出ていて、徒歩で帰れなくなった人のことを指します。

例えば電車で1時間かけて通勤している人が職場にいるときに大地震が発生しライフラインが止まった、というようケースを想定するとわかりやすいと思います。
電車で1時間の距離というのは、ざっくり40~50kmくらいでしょうか。(もちろんルートや快速かどうかなどで大幅に変わりますが。)

以前私が30km歩いた時は7時間程度かかりましたので、40~50kmだと10時間程度歩く計算になります。
30km徒歩で歩いた経験がある私からすると10時間歩くのは現実的ではありません。7時間歩いた時、後半はあまりの疲労に座り込んでしまうことも多々ありました。(徐々に休憩しても回復しなくなります)。もちろんやってやれないことはないと思いますが、想像以上につらいと思います。

災害時にはこのような徒歩で帰ることができなくなった人が大量に発生することになります。
そのような状況に対処するためできた法律が東京都帰宅困難者対策条例です。

帰宅が難しい時にやってはいけない行動

災害で電車も止まってしまったときにやってはいけない行動があります。
それが「無理して歩いて帰る」ということです。

10時間ならまだしも徒歩5~6時間なら、がんばったら歩いて帰れそうと思ってしまうかもしれませんが、帰らずに会社などに泊まった方がいい理由が2つあります。

1つ目は帰宅時に2次災害に合うのを防ぐためです。大きな地震の後には余震が起こることも多々あり、その余震によって電柱が倒れてきた、窓ガラスが降ってきてけがをするということはよくあります。
帰宅途中にけがをしたいためにも、しばらくは会社にとどまっておくほうが良いです。

2つ目の理由は道路に人が溢れ緊急車両の通行の妨げになるという事態を防ぐためです。
ライフラインが止まると、近所だから歩いて帰る人、どうしても家に帰る必要がある人、無理して帰ろうとする人など様々な人が道路に溢れます。
さらに電車が止まっていると車で帰ろうとする人も増えるため、道路は大混雑になることもあります。

そのような状況になると救急車や消防車などの緊急車両通行の妨げになってしまい、助かる命が助からないということが起こりかねません。
特に災害発生から72時間を過ぎると極端に生存率が下がることから「黄金の72時間」とも呼ばれており、人命救助のデッドラインとされています。

この「黄金の72時間」は人命救助・救急が最優先で行われなければならないため、緊急車両の妨げになるような行動は絶対に避けましょう。

企業の義務

東京都帰宅困難者対策条例では災害発生から3日間は人命救助・救急を最優先に行うため、従業員が施設にとどまることができるような必要な備蓄を準備しておくことを事業者に求めています。

東京都帰宅困難者対策条例 (従業者の一斉帰宅抑制)
第七条 事業者は、大規模災害の発生時において、管理する事業所その他の施設及び設備の安全性並びに周辺の状況を確認の上、従業者に対する当該施設内での待機の指示その他の必要な措置を講じることにより、従業者が一斉に帰宅することの抑制に努めなければならない。
2 事業者は、前項に規定する従業者の施設内での待機を維持するために、知事が別に定めるところにより、従業者の三日分の飲料水、食糧その他災害時における必要な物資を備蓄するよう努めなければならない。

東京都帰宅困難者対策条例では3日分の飲料水、食料を備蓄するように求めています。
そのほかにも簡易トイレや簡易寝袋、圧縮毛布があるとよいと思います。

よくネットなどで「帰宅困難者支援セット」という名称で、徒歩での帰宅をサポートするような防災セットが販売されていたりしますが、徒歩で帰宅しては本末転倒です。
帰らなくても済むような防災グッズを買うようにしましょう。

企業様向け 備蓄用非常食セット plus+ (1人3日分)

企業様向け 備蓄用非常食セット(1人3日分) 法人 団体

企業様向け 備蓄用非常食セット Light (1人1日分)

合わせて備蓄したい5年保存水

まとめ

もし従業員さんが無理して徒歩で帰ってけがをしてしまったとなれば、事業の再開にもマイナスです。

備蓄には費用が掛かるから、何を揃えたらいいかわからないからと準備を先送りにしている方もいらっしゃいますが、備蓄は従業員ではなく事業者の義務になっています。
従業員さんの安全のため、そしてスムーズな事業再開のための投資と思ってきちんと準備しておきましょう。

もし企業備蓄のことでお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください!
メールアドレス:info@ansin-ichiban.com

それではまた(o|o)